小俣造園の手入れのこだわり【マツ編②】

赤松 手入れ後
赤松 手入れ後

こんにちは。小俣造園の小俣聖です。

今回も小俣造園の手入れのこだわりをお話ししたいと思います。

 

本日はアカマツです。

 

アカマツについて簡単にまとめると以下のようになります。

 

・別名女松

・(クロマツに比べて)葉は細く、小さいので触ってもそれほどチクチクしない。葉と同様に枝も柔らかく、芽吹きも比較的多いた枝を細く保つことができる。

 

別名の女松というものは、クロマツに比べて女性的で柔らかいという印象を受けることからつけられたのでしょう。小俣造園の目指す「柔らかい仕上がり」という方向性とも同じなので、アカマツの仕上がりにそのこだわりが如実に表れるかと思います。

写真はマツの手入れをする際に用いる和裁の糸切り鋏で、この鋏を用いて手入れをするというのは先々代のころから変わっていません。なぜこの鋏の写真をお見せしたかというと、見ている方にどれほど細かい枝で仕立てているかをご理解いただきたかったからです。枝が太くなるような手入れをしていてはこの鋏は使えません。枝は常にこの鋏で抜くことができる細さを保ちながら仕立てていきます。

 

子芽や孫芽も大切にしながら手入れをするので、枝がゴチゴチと太くならずにいつまでも柔らかい仕上がりに保つことができます。確かに最も手間のかかる庭木のうちの一つですが、妥協は一切いたしません。幹の色に特徴のある庭木は様々ありますが、アカマツほど鮮やかな色を出すものはありません。そのため庭園のどこにあっても目を惹く存在であり、主木として扱われるものもたくさんあります。アカマツを見て、同業から「あの手入れは小俣造園のものだな」と思わせるほどの極上の仕上がりを目指しています。芽吹きは多いですが、たくさん鋏を入れてしまえば手入れにかかる時間を短縮することは可能です。しかし、一本一本丁寧に進めて手間をかけて手入れをする価値が十分にある庭木だと思っています。お客様が大切に愛でる庭木をいつまでも美しい姿に、そして同じ庭木に手を入れてきた先代、先々代に恥じることのないように、これからも精進していきたいと思います。

 

 

それでは失礼します。次回の更新もお楽しみに!

 

小俣聖