小俣造園の手入れのこだわり【マツ編①】

こんにちは。小俣造園の小俣聖です。

 

本日は当社の手入れのこだわりをご紹介したいと思います。

 

今回は日本庭園には欠かせないマツについてです。

 

クロマツ、アカマツ、ゴヨウマツ、タギョウショウ等々の種類がありますが、当社の手掛けた多くの庭園でも主木として扱われることが多く、そのため手入れに関しては非常にこだわりのあるものになります。

(※仕上がりの印象や手入れの良し悪しは、好みや嗜好といった各個人固有の感覚や感性に左右されるかと思います。ご紹介するものはあくまで小俣造園が目指すものであり、その他の手入れ方法や仕上がりを否定するものではないという点をご理解いただいたうえで読んでいただければと思います。)

 

まず小俣造園で目指すマツの仕上がりとは、「柔らかい仕上がり」です。「落ち着いた」「温かみのある」といってもいいかもしれません。具体的に言うと、自然と葉の方に目が行くように、できるだけ細かい枝で仕立てる手入れの方法をとっています。

マツに限ったことではありませんが、葉と枝を見比べたときにそれぞれどういった感覚を持つでしょうか?おそらく、葉は「柔らかく」、枝は「硬い」といったものだと思います。これは木をみたときの印象に大きく影響する感覚で、すなわち木を見たときに葉が目立てば「柔らかい」、枝が目立てば「硬い」といった印象を与えます。なかでもマツは枝を多く付けるのに葉は枝先にしかつかないので、どうしても枝が目立ってしまいがちです。そのためになるべく枝に目がいかないようにできるだけ細かい枝で仕立てていく手入れが必要になるのです。そうすることによって、マツ独特の葉の味わいが感じられる、他の庭木にはない柔らかさが感じられる仕上がりにすることができます。

以前の記事で緑摘みと同時にもみあげをおこなったクロマツの写真を掲載しましたが、ほぼ同時期に同じ手入れをしたクロマツの現在の様子です。徐々に葉が開いて向こう側が適度に透けるような仕上がりになってるかと思います。またご覧のように細かい枝を多くつけているのがお分かりになると思います。

差し枝を近くで見るとこのような感じです。太い枝が樹冠のラインまで来ないようになっています。上の写真でも芯(頭の部分)の枝は前面の葉によって隠される形になるので枝が目立たず、葉に目がいくような柔らかみが感じられるのではないでしょうか。

 

どうやらマツについてのこだわりは書き切れないので、一旦はここで終わります。続きはまた次回以降にしていこうかと思いますので、お楽しみに!それでは失礼します。

 

小俣聖